土地(エリア)紹介
宇陀市は奈良県北東部、大和高原の南端に位置する四方を山に囲まれた高原都市。万葉の時代から「宇陀」という地名は存在。大宇陀は城下町としても栄え、数多くの遺跡や文化財が存在する。2006年に重要伝統的建造物群保存地区に選定された宇陀松山地区は戦国時代、城下町として栄えたのが現在の地区の起源と言われている。
言葉で言い表せない儚い口当たりと甘さが後を引く
「きみごろも」という名称を聞いてどんな商品を想像するだろうか。
宇陀発祥のこの銘菓は一見、厚揚げに見えなくもないが口に入れると予想外の食感と味が広がり驚く。今から120年前ころ、初代が当時「貴重なたんぱく源である卵で何か新しいものができないか」と試行錯誤して生まれた菓子である。現在も製法は変わっていない。奈良県産の契約卵の白身をていねいに泡立て砂糖、蜂蜜、寒天を加え、黄身をまとわせ焼く和生菓子で、職人の勘が必要な製法である。白身の泡立ては一番こだわっており、機械立てでは泡が固く細かくならないため、早朝から時間をかけ手立てで柔らかい泡を作り出す。季節や天候を考慮したさじ加減で肝心の泡が水っぽくならないよう注意している。そのため「1日1000個作るのが精一杯」と四代目の堀井隆佑さんは言う。また「夏場は鶏も弱って体力が落ちるので力のない卵が多い」とのこと。それは新鮮でも割ったときに白身がこんもりと盛り上がらない状態を指すのだそうだ。高温の夏は卵の管理と泡立てる環境、双方に苦労が多い。
食べ始めると “サクッ、シュワッ” と焼いた卵黄の噛み応えのある外側と、泡立てたメレンゲのなんとも頼りなく儚げな軽さの対比が新鮮だ。シンプルだが奥深い味わいが舌に残る、見た目も味も食感も珍しい菓子である。
きみごろもは保存期間が3日と短い。柔らかく衝撃に弱いため遠方の持ち運びには慎重さが必要で、暑さにも弱い、などデメリットが多いと捉えられかねない。そこで四代目に保存料入れることを検討したことはないかと聞いてみた。
「保存料を入れることは考えていない。日持ちもしない、数もたくさんできないのは提供側として申し訳ないと思う。でもわざわざここまで来て購入するくらい価値がある、この味でないとだめと言ってくれる方のために何も変えず、入れずにこのままいきたい」と力強い答えが返ってきた。
宇陀市は奈良県北東部、大和高原の南端に位置する四方を山に囲まれた高原都市。万葉の時代から「宇陀」という地名は存在。大宇陀は城下町としても栄え、数多くの遺跡や文化財が存在する。2006年に重要伝統的建造物群保存地区に選定された宇陀松山地区は戦国時代、城下町として栄えたのが現在の地区の起源と言われている。
販売店名 | 堀井松月堂(きみごろも本舗 松月堂) |
---|---|
商品名 | きみごろも |
価格 | 1,700円 |
住所 | 奈良県 宇陀市大宇陀上1988 |
営業時間 | 8:00~17:00 水曜・夏季・年末年始休 |
アクセス | 近鉄大阪線「榛原駅」下車 奈良交通バス「大宇陀迫間」下車、徒歩7分 |
Webサイト | https://kimigoromo.com/about/ |
SNS |